痛み/恋月 ぴの
君は針のように尖っていて
僕の心に突き刺さる
あまりにも
細くて尖っているものだから
君が僕の心に突き刺さっていることなんて
とうの昔に忘れていたよ
けれども君は君で
いつまでも僕の心に突き刺さったままで
その事を瞬時も忘れた事は無かったんだね
季節が巡りゆくたびに
僕が恋の遍歴を重ねるたびに
君はチクチクと僕の心に突き刺さり
次第次第に
僕は心の病に犯された
医者に見放されたこの病
君は何か僕に恨みでもあるのか
僕は自分でも気づかないところで
君を深く傷つけていたのか
君は今でも僕の心に突き刺さったままで
心の痛みは増すばかり
チク
チク
チク
チク…
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