自己の言語回路からの自由へー九鬼周造著『日本詩の押韻』私解ー/狸亭
 
働かせれば、人類の過去
を、その時代の感覚で感ずることだって可能である。

 九鬼の『日本詩の押韻」に巡り合ったのは私の年齢では、遅かったようにも思うが、
「目指す先には黄金の山が約束されてゐないと誰が云えるであろう。」と結ばれた、ほぼ
六十年前に五十三歳で死んだ九鬼の想いが、奇しくもその年齢に達した私に伝わったのも
何かの縁であるし、若い世代に希望という遺産を引き継いでゆくのは義務でもあると思う
のだ。





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