ゆるやかにいきる/竹節一二三
 
ひるまに
今年はじめての
しろい息をふきだした
わたしの口は おそらく
しろい雲でおおわれていたことだろう

わたしは雲をうみ
そう ひつじのかたちをしたしろい雲を
ながめて
ながめながら
ほかのかたちをした雲を
このくちびるからうむ

くろい帽子と
しろいマフラー
それから
こげちゃいろのジャケットと
ふかいあおのジーパンをはいて
自転車で橋をこえる
わたしのあらい息はひとときもやすまず
雲をうみつづける
そう ひつじのかたちをしたくろい雲を

わたしはじぶんのふきだした
しろい雲のひつじから毛をかって
その毛を雨であらい
からからとつむぐ

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