揚羽蝶/ベンジャミン
 
七月の窓辺

夏色の羽をはばたかせて
揚羽蝶がひとり
庭に迷い込んできました

羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように

ゆらりと抱いた風をふくらませて
陽をあおぐ花びらの
ほどけたひとひらのように

小さなからだをふるわせながら
また会いましょうと
つかの間の季節を楽しむように

大きく手をふっていました
    
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