恋人へ/魚骨堂
 
荒くれた土壌の上に生え
強すぎる太陽の光を浴び
支えとする棒すらも倒れ
葉さえ虫に食い破られた

生きているのが不思議な状態で
自分の生命力だけを頼りに
生きていこうとしている
けど
それほど貴方は強くない

一人の女を愛するとき
貴方は自分の命をかける
ならば貴方が愛されるとき
同じように命を懸けて
真剣に女も愛しているの

硬い石の間をぬって出てきた根は
多少ひねこびていて当然
まっすぐに伸びれない頭上の障害は
迂回すれば必ず日の光を見ることができる

多くの時間を費やして
貴方は一人の女にたどり着いた
これからは二人で道を探せばいい
新しい場所で
二人分の気持ちのいい土を耕せばいい

一人の女を愛するとき
貴方は自分の全てをかける
私が貴方を愛するとき
全てを捨てる覚悟をしている
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