夢に溶けた貴女/
兎乃 しずる
まどろむ中での浅き夢
霞んで見えない霧の先
つかもうとしてもつかめない風のように
貴女の影は空へ空へ
消えた
夢の狭間で現実がせまる
貴女の好きな夏の浜で夢を語ったあの時
先へ先へと進もうとする貴女は
さらりと指の間を落ちる砂粒のよう
影を残して貴女は私を残して
夢の中に夢の中に溶けてゆく
現実の中にただただ私はたちつくす
一人きりで・・・
空へ夢へ消えた貴女
風のように
はたまた儚き雪のように
景色へとけた
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