外の原へ/
木立 悟
私は宙にいた
ずっと空を聴いていた
私を支えていたのは
ただ蒼い闇ばかりだった
ゆれる森
立っている人
言葉をめくる声
降りてくる色
暗くやわらかな
午後の綿の光
岩と石のかがやきを吸い
川下へ川下へと散り流れるもの
金と銀とを行き来する
森と林の円の向こうに
(もう闇はなく 土を踏み)
目の言葉と幼い悪霊の手をとり
私は生まれたばかりのものを届けにいく
いつのまにかひとりであることに気付いたとしても
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