トーキョータワー/霜天
 

広い、どこまでも広い通りの次で
十五番目の角を右へ曲がる


昨日、少しだけ空が割れた
突き刺さったタワーの天辺から
明日が漏れている
その下では虹が見えた
遠くて、はっきりとした色だった


今日は水色の服を着ていた
追い抜いていく人は、知っている顔だった
東京、遂に天まで届いたタワーの下で
昨日使ったさよならを、知らないもののように見送りながら
十七番目の交差点を左折して僕らは
やっぱりそこで
間違えている
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