磨滅/
kw
青い血管にハサミを入れて
肉と筋を離す感触で
君がぷつりと途切れた
昨日までの二人は
キラキラと
朝の睫から毀れる光の色
目覚めたら
赤黒く腐乱した血の色へ
どろりと染まって行く
僕は思い出を掻き集め
浮遊する足元で踏み付ける
余りにも頼りない力で
何一つ壊せなかったから
心臓にナイフを突き刺して
君の膿を根っこから削ぐ
脳を鑢に掛けて
君の細胞を粉々に摩り下ろす
身体の破片は
新しい愛の燃料となる
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