「 天使と飛んだ夜。 」/PULL.
るように白かった。
白雪が舞っていた。
白雪が降っていた。
おれたちと一緒に、白雪は舞って降っていた。
そうして、おれたちは落ちたけれど、
壊れなかった。
彼女は肩に軽い擦り傷。
おれは肩を脱臼して、肋骨を三本折った。
不思議だけど。
夕べから降り積もった雪が、
ふわふわと、おれたちを受け止めてくれた。
まるで天使の羽みたいに。
ふわふわと。
ふわふわと。
抱き止めてくれたんだ。
ねえ。
覚えてる?。
おれたち転げ回って、
真っ白になって笑ったね。
痛みも忘れて、
真っ白になるまで笑ったね。
思うんだ
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