シノギ/捨て彦
大阪の下町。
見るからにヤクザといった風体の男二人が、道端をゆっくりとふらふら歩いております。
「兄貴・・・・。兄貴。」
「・・・・なんや、マサ。」
「・・・・・・・・・・兄貴。」
「・・・・・・なんや。」
「・・・・・・・・兄貴。・・・兄貴」
「・・・・・・・・・・・・・・なんやマサ。」
「・・・・・・兄貴」
「・・・。あのな、マサ。なんやおのれは。さっきから人のことごちゃごちゃごちゃごちゃ呼びくさりやがって。なんやねん。なんか言いたいことがあるんやったら、さっさとゆわんかいワレ。それを何べんもおんなじことべちょべちょ言いくさりやがって。お前それでも男か。ええッ。こ
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