『ニンゲンの丘』/
しろいぬ
ニンゲンの丘に立つ
魂を踏み砕いて
隙間から洩れるのは赤光(シャッコウ)
全てを抱えあげるには
一対の手は絶望的に少なく
踏みしめる両足は脆弱に過ぎる
誰よりも強くなりたい
叫びは空に溶けて
太陽は矮小(ワイショウ)なニンゲンを見て笑う
この身に注ぐのは
ニンゲンを燃やす赤い光
それは心の深く深く
狂ったような速さで脈打つ心臓を静かに照らして
足掻く肉塊の憐れを
網膜に くっきりと焼き付ける
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