狂った夕立/プテラノドン
らなくなる゛―黄昏の
一方、離れた所では、二人のガキが帰り道の途中で
すれ違う女の人を見ては「あの人が俺かお前の姉ちゃんだったら」とか言ったりして、
毎度のことのように興奮している。偶然であれ、
彼女に微笑みかけられるもんなら大変!化膿するまで、恋に齧りつくのだから
しけた顔して髭を撫でる、例の老人達はそんなことに無関心。
はなかっら喜ぶべき偶然なんてありゃしないのだから。ね、せいぜい
もうすぐそこまで来ている、雷雲のボリュームを上げるだけだ。
ガキ共の黄色い声が聞こえない位に。だけどそれさえ、僕等には
喜ぶべき偶然になるってことを知っているのかな。
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