静かな午後/チアーヌ
 
まるではみ出した水彩画を上手くごまかそうとするみたいに
わたしはそっと何度も自分自身に修正を加える
涼しい風が吹き二階の部屋の窓からは青く広がる田んぼが見える
ベッドに寝転べば風の音とシャラシャラという稲の葉ずれの音
それと、遠くの国道をトラックが走る音
車に乗れば
電車に乗れば
飛行機に乗れば
遠くに行けることはわかっているのに
わたしはベッドに寝転んで
天井を見上げているだけ
そして夕方になったら
夕涼みに出かけてみるだけ

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