不連続小説 『煙道 2』/クリ
 
しあてられた。
すると彼はおもむろに煙草のスティックの先端を禿頭で摩擦し始めた。
ゆっくりゆっくり、まるで幼い子を愛撫しているかのように、目をつぶって。
最初、彼の頭から湯気が立ち昇っているのかと思えたものは、煙草の煙なのであった。
彼は火のついた煙草を急いで口にくわえると強く吸引した。
次の瞬間、濃い紫煙が私たちの鼻孔をくすぐった。


                              Kuri, Kipple : 2005.07.06
戻る   Point(1)