詩人ですもの/佐々宝砂
ずかしいことだというへんてこな自縄自縛から、私はまだ逃れられない。でもいつか。
私は和服を凛と着こなした白髪の老女にはなれないと思う。そんなタイプではない。いま老人と呼ばれる世代が味わったような苦労も知らないから、人格的に立派な老人になれるとも思えない。そのころ立派な詩を書いてるとも思えない(いまだってろくな詩かけてないのにさ)。だけど、いつか言ってやるのだ。朗読一発かましていい気になってる若いのをつかまえて、平然と微笑んで誇らしく、
「だって、あなた、詩人ですもの」
だから長生きするべく、もう寝ようと思うのだった(すでに3:00だってばよ)。
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