偏頭痛/プテラノドン
その時はたいした効果をもたらさなかったにしろ、
時計仕掛けの爆弾とはそういうもの。その罠でさえ長い間ほおっておくと、
他の時計に紛れてどれがどれだか分らなくなり、起きたときに知る程度で、
誰かにあらかじめ忠告する事など出来ない。ひょっとしたら
今から何秒後かに爆発するかもしれないし、そのせいで、
感傷をそれらしく語ろうとしている詩人の風景が
瓦礫に変わるかもしれない。僕は瓦礫の風景の親になる?
幸い「それらしい」悲しみはどこでも積み重ねられるから、罪重ねても、
瓦礫の親になるつもりはない。今のところは、ね。
それより、裏庭から聞こえる寺の鐘と夕立の音は
利根川の橋の上でも聞
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)