砂糖がとけるまえに/midori
 

面倒くさくなって赤いボタンをおした。
また何かと理由をつけて消えた人間。
また一人。
黙って去っていけば迷宮いりの

エンドレスラブ。

人の心に針をさすあなた。私は私で嘘ばかりつく。丁度良い。
そしていま私は独りである。誰といても不安は消えない。
ただ一時、目の前の人との
交わりで頭を混乱させている。

不安と向き合う行為を忘れた。


野性的勘で。


こうやって人の顔に灰を埋めるのかと、
杉並区の一室で学んだ。人との間に生クリームをおいて試した。
頭の良い人間ほどよく喋る。
念頭に相手をどう言いくるめるのかをおいている。
それをも見抜けない二本足の生き物は幸せをつかめるだろう。
この世に言葉を残すほど

息苦しく、

おっくう、になっていく。
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