光年の彼方/たりぽん(大理 奔)
君は
占いに出てくる星座しか
知らないというのに
アルタイルとヴェガには
とても詳しくて
毎年、同じ物語を
飽きもせずにロマンチックだという
私は
二星間、14.428光年を
冒険に満ちた
宇宙旅行が出来るならばと
子供じみた夢を
その度にロマンチックだという
きっと
女は、それを神話に閉じこめ
男は、それを夢と呼び
掌を見つめて今日を
生きていくのだろう
手の届かない世界を
諦めてはいないと
ふたり
言い聞かせながら
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