ガランドウ/シギ
 
あなたに未だほんの少し

慈しむ、心があるなら

どうかその指で

私を手折って


かさぶたを剥ぐように


何度も何度も繰り返し

空を見上げるように


残るから

そして、跡は

遺るから


それは開きかけた紫陽花、のように

鮮やかに

鮮やかに


此の身に

遺るから


それは鏡に映ったガランドウ

失われた筈の空間

あなたはその中を歩くと言って

鏡を、割り、砕いてしまった


あなたの中に

私は消えない跡となって

遺るから

遺るから


あなたに未だほんの少し

慈しむ、心があるなら

どうかその指で

私を手折って

ください

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