『懺悔』/しろいぬ
いつもいつもいつもいつも
いつも
犯した過ちの記憶を愛でて
断罪の刻を待ち焦がれながら
神様に祈りを
無垢な笑顔に怯え
追い立てられるように贋物の仮面を削った
削って 削って 削って 削った
涙を浮べて
ひた走る僕は
ときどき神様の目を盗んでは
空に向かって懺悔を呟き
救いの星を探した
そこには昏く広がる闇しかなくて
身を焼く光は網膜の裏にのみ閃いた
そうやって黒焦がした中身を引きずって
今日も僕は木製の笑顔を刻み
明日も僕は自分の顔に爪を立てる
涙のかわりに流れるのは誇り
それでも僕は
不様にも 生きていこうともがくんだね
それが「人間」ということなら
僕は呪いの言葉をのせた唾を
なにも浮べない空に
何度も 何度も 吐きかけるよ
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