自動ドアのこと/
ベンジャミン
ある日
自動ドアの前に立ったら
開かなかった
押しても引いても
やっぱり開かなかったので
慌てて君を呼んだ
ちっとも開いてくれないんだよと言いながら
二人並んで立ってみたら
スルッと開いた
さっきは本当に開かなかったんだよと
懸命に説明する僕を横目に
君は
二人だから開いたんでしょと
にっこりしながら
それはやっぱり自動ドアで
君のセリフは僕の説明なんかより
よっぽど正解だった
そんな
やっかいな自動ドアのお話
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