告/城之崎二手次郎
 
昼下がりのドラッグストアに客はまばらだ。彼女はレジに立っていた。胸が締めつけられる。今日こそ言うぞ。見た目は華奢だが、はきはきした受け答えに芯の強さを感じる。おつりを渡す時の笑顔がたまらない。彼女なら、きっと応えてくれる。レジを待つ客が途切れるのを見計らい、僕は彼女の前に立った。「いらっしゃいませ」を言わせずに、言った。
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あとがき。
二〇〇字物語第四十一段。
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