きずあと/なるせ
 
その手は何を掴み取ったの
忘れてしまったの
それとも思い出したの

空をみていた
夢を見た
雨音しか覚えていないけれど

雲が流れている
きみが泣いている
ねぇ何がいけなかったの
何が怖かったの
何を恐れていたの

その手をひくことも
髪を撫でることも
もうない

風に運ばれたきみの名前を
壊れそうな世界を罵る言葉を
同じ唇で紡いで

銃声は止まない
終わりなんてない

言ってくれ
その足下にどれだけの花が咲くんだ



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