書く動力 8/Dr.Jaco
少々(多々?)無理があるかもしれないが、「空虚なイメージをかろうじて文字で実
在させながら世界を満たし、やがて破裂へと導くもの」が詩ではないかと思い始めて
いる。「何ものか」に触れた瞬間に発火した導火線は、私が包み込むように形成した
世界が、やがて私を包み込んでいるかのように錯覚し始めたと同時に、無限に思える
世界を言葉で満たすことを急かし続けている。埋まらないのは確実なのであるが、個
人として世界をきちんと埋めていかなければいけないという強迫観念。
水面に顔を浸すように、別の世界の表面に顔を浸けながら覗こうとして覗けないのが
まどろっこしくて詩を書くという営みが想起される。
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