谷間の百合/葵 悠貴
 
私の瞳は閉じていた
あいているのに閉じていた
少し痛いと思った時
まぶたを閉じてみて気が付いた

今まで見ようと思っても見えなかったものたちは
不思議と見えていた

確かに見ていたはずなのに
心の眼は開いていなかった


今は意識すれば見えてくる

ほんの少しでも意識すれば

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