谷間の百合/
葵 悠貴
私の瞳は閉じていた
あいているのに閉じていた
少し痛いと思った時
まぶたを閉じてみて気が付いた
今まで見ようと思っても見えなかったものたちは
不思議と見えていた
確かに見ていたはずなのに
心の眼は開いていなかった
今は意識すれば見えてくる
ほんの少しでも意識すれば
戻る
編
削
Point
(1)