スーパーガールはキャノンボールで死霊と盆踊り/佐々宝砂
 
た。私は行きたくなかった。つまらなさそうだと思ったからだ。そういう予感はわりとあたる方だ、と当時の私は思っていた。「宇宙空母ギャラクティカ」のくだらなさも、「最後の猿の惑星」のバカらしさも、私はきちんと予想したぞ、と当時は思っていた。実にかわいげのない中学生である。いつもなら家族で出かける正月映画鑑賞に、私は行かなかった。帰ってきた母は、「キャノンボール」はおせち映画だねえ、見栄えのいい高い材料がたくさん詰め込んであって、見た目ほどにはおいしくない、と言った。弟は何も言わなかった。ただ、ものすごく不機嫌そうだった。要するにつまらなかったのだろうと私は思った。

それから数年ちょっと経って、私の
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