千羽鶴/ベンジャミン
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子はあわてて
羽は広げちゃいけないのと
わたしの手を押さえつけながら
だって飛んでいってしまうじゃないのと
とても悲しそうに
その羽をたたみました
わたしは
折り方を知っていても
祈り方を忘れていたのだと
いまにも飛び立ちそうな
その
うすい羽を
両手のひらで
やさしく押さえてあげました
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