品川駅/リヅ
真夜中 駅のホームでは
たまにカレーの臭いがする
それは風みたいにすぐに流れて消え去って
僕がもう一度白い息を吐いたときには
その形すら思い出せなかった
そういう夜は電車に揺られながら
月日に流されていったものの
輪郭を少し取り戻せるんだ
日曜の朝とか 誰かと作った秘密基地とか
一人暮らしも板についた
マフラーを巻きなおす
頑張ってるよ ちゃんと頑張ってるよ
でもこの電車 降りる頃には
きっともう忘れちゃってる
たまにカレーの臭いがするんだ
真夜中 駅のホームで
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