葉描き/かぜきり
 
白紙に色をのせるよに

言葉をぺたぺた並べていくと

彩に戸惑いうかびあがるは

像を結ばぬ心の調べ

淡にまぶされきわに立つのは

濃さに瞑れたきおくの階

筆に馴染んだ絵の具の束が

水を含んで零れる前に

此方の世界を重ねて移す

彼方に集う鏡の前へ



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