キルトに綴る、その鍵と/プテラノドン
 
いまだキルトを綴るという
針の動き、
広がる愛を不安と呼んだ彼女よ!
違う!僕はそう思わないよ

歓楽通りを歩いていると、
後をつけてくるとかいう例の老人がやって来て、
不眠症の男に地図を渡した話。
 男は丘に向かう途中、懐かしいレコードを口ずさむ
着いたそこには、乾いた水色の扉が一枚
立ててあるだけ。鍵穴は大きすぎた。おまけに
ドアノブから細い女の手首 が出ている。
その手を掴み扉を開ける。(指輪を無くした女の手)
向こう側に港町が見えた。「行かせてくれよ」
男は何度もそう言ったが扉の手は離してくれない。
身動きしない彼は、何かこう、事態は幸せな方向へと導かれている
[次のページ]
戻る   Point(2)