*Drops of black note*/終
黒い涙
空から落ちてくるものが、雨と呼ばれるなら
それは、黒い涙
抗うことの出来ない強い力で私の中を滑り込んでいった
腕を放り出したくなる
身体を仰け反らしたくなる
目を瞑りたくなる
涙
私を伝う甘いドロップみたいな透明の雫
それは、涙
頑なにひらかないように私は宙をミツメル
両腕も両足も胸も頭も心臓もぐらぐらと
その存在は揺ぎ無くアル
紅雨
ゆっくりと目を覚ましたベッドの上
知らぬ間に降りだしている空
...ジリシリリ
蒸籠の中で幸せを蒸かしていた
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