小箱のなかで(二)/青色銀河団
記憶の ぬくもりが
朝のラインに 並びます
いくつかは やわらかく はじらい
いくつかは つめたく ゆるされて
/濡れた空に 水の旗が ゆるやかに たなびいています/
それでも紙の野原で
濡れた空がひらかれたとき
雨の日のむかしまで
潮は満ちてゆきました
(それは小箱のなかのうつくしい鏡の海のこと)
紙の野原でひらかれた空が
朝の光に濡れます
音の郵便は
誰もいない朝のランプにとどきます
北風が笑いました
/響きのうつくしい
紙の野原でひらかれた空の
故郷のまわりをとぶための白いほのお/
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