水蒸気のような、消えていない/nm6
に通り過ぎてフワリ、と、気づいた頃には、誰かのギターの弦とピックのような関係でいたい。それで、ぼくらは届かない空も君も何もかもを、
見上げて仰ぎ、
見下ろして優雅に飛び回り、
旋回し旋回しここぞとターンし旋回し、
迂回してやっとのことで着陸したベッドの恍惚、
、
午前1時、ぼくは、ピース、と言って逃げる。その先はとんでもくだらないところさ。そうして戻る平和も、きっとまるで真っ白でつまらない。垂れ流す空と音量、だから揺れ動く。ぼくらは糸が切れたようにたとえば、颯爽と後方を風に見えないリストバンドののぞく裾から。さあ気をつけずに、あからさまなチューニングで逃げる逃げる。自信ありげに街を走れば、笑いながら届こう、届こうとしているのかもしれない。遠い君のあるどうしようもない箇所へと、そして緩やかな景色が望み果たせない宇宙へと。
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