地球の裏側/岡部淳太郎
つぶの
ひとつぶの水滴
回る
空のように
深すぎる謎のままに
回り戻ってくる
君は裏側 そして
かたくなな表側
ここがひとつのものの
裏側でしかないという思いで
君は立ちつくす
君が回す
君が聴く
音楽
たしかな表側 あるいは
ひとつの裏側
らら
と云って立ち止まる
つぶつぶの
ひとつぶの音符
通り過ぎる 歌
回る
回ってゆく
回り戻ってくる
歌は回る
地球は回る
君は表側 そして
たしかな裏側
ここは寒いが
そこでは暑い
逆巻く
逆流
立ちすくめ
ブラジル!
(二〇〇二年十二月)
戻る 編 削 Point(2)