地球の裏側/岡部淳太郎
 
今日いる場所も
明日いる場所も
ひとつの裏側
表側としか感じることが出来ない
かもしれない
ひとつの裏側
ここは寒いが
そこでは暑い
君はたしかな表側
同時に君は
ひとつの裏側

君は雑音
君は雑草
何度でも立ち上がり
何度でも坐り直す
あるいは君は
静かな息
つぶつぶの
ひとつぶの息
回る
表側から
裏側へ
そしてまた一周して 表側へ
回り戻ってくる
明らかな分子
そして原子

君は表側 そして
たしかな裏側
ああ
と云って立ちつくす
時の慌しさに
遅刻の感覚に脅えふるえる時
君はたしかな表側にいる
君は騒音
君は騒霊

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