母娘/蜜
であったり、
髪を撫でたときに感じる血の温度であったり、
最近 悩んでいる
ママ、というニックネームで呼ばれているような気がしている
娘、というニックネームで君を呼んでいるつもりはない
結果が出るのは 君の将来、ということも理解している
君の人生を大切に思うのは 関わってしまったからという理由では決してないのだ
小指の先で 短い前髪を掬った
額の髪を横へ流すと
不意に君が寝返りを打つ
お気に入りのタオルを枕にしていた頬に
しっかりデコボコの跡が残っている
私は君のかわいい頬に そのタオルのように優しく口付けた
「つよいいいかたして ごめんね」
君はムニャムニャしながら
「ママ、もうおなかいっぱい」
と寝言を言った
・・・ごめんね・・・
・・・ごめんね・・・
涙が止まらなかった
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