こころの、うるおい。/兎乃 しずる
 
目をあけると、昼間の太陽が僕を迎え入れた
そんなに眠っていたつもりもなかったのに

何気なくそとに出てみた
何をしようとは思わない

ただただそとに出た
そこに理由はなくて

からっぽの心でそとを歩く
思いなんてなにもないのに

青い空を眺めていた
吹き付ける夏の風
夏の香り

少年だったあの時に戻るように
たくさん空気を吸って吐いてみる

生きている感触がする
そこに喜びを感じて、生きていこう

何気なくそとに出た僕のからっぽな心
夏の感触を吸い込むたびに渇いた心が潤う

気づいたら僕の心は、夏の空のようにすっきり晴れていた
梅雨があけて、澄んだ風が肌をくすぐったときのように・・・

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