川村 透氏の2作品/Dr.Jaco
ものに満たされているのかは、万人
それぞれの胸の内に聞いたら良いのだろうが、ここでは箱の中の暗がりの方程
式を満たす解のごとくコーラが注がれていく。
泡だけが、聴こえているのか、見えているのか、感じられているのか。
「Listen」で撹拌されていなかったら、この詩に親近感は湧かない。
暗い箱が、実はそうではなくて無限の暗黒の一部であると分かったなら、報わ
れることもある。ならば「Yes」と私も言うだろう。
静かな泡がそれを悟らせるなら、なおのこと愛おしいではないか。
(この辺は勝手な親近感だが)
夜が液体で媒介される。静かな夜に、それが非人称で行われることを作者は望
んでいるのだろうか。控えめな音使いにそう思う。
ただ、ヴィジュアルから突撃してしまう私などは、パッと朝日が差した時とか、
たまたまライトが灯った時とかに、何が現れるのかを予感させて欲しいと思っ
てしまう。暴くのでも晒すのでもなく、チラっとのぞく黒い下着のように。
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