ギャルソン/プテラノドン
 
る。舵はない。備わっていたのは
昭和五十五年式の機関銃 だけ
飛び出す弾丸は鼠の糞 だぜ
「破傷風だ!破傷風だ!」
「えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!」
なんて言って、あたふたするかもめ
(奴等は屈強な敵だ。翼が生えている)
はさておき、
船が海流に頼って進む点に関しては
まったくもって問題なし。その海域では
偏西風が燃えているので船ごと燃えてしまう。
 伝説の地帯はかくありき。
晴れた日に、海上に浮かぶという
失われた都市に、おれや君のギャルソンは
暮らしていて、あの皿には
皆のミニュチュアの魂がのせてある はずだが
一体誰が知ろうとするのだろう?
みんなまだまだ生きていたいし、
耳をそばだてていても、その瞼は閉じている。


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