ギャルソン/プテラノドン
世界一小さい公衆トイレ(それはおれんちの、そして君んちのトイレ)
で、ギャルソンが生まれた。趣味の悪い蝶ネクタイをしていて
手に乗せた皿の上には、ご主人様どうですか?といわんばかりに
蛙の死骸が乗っている。が、その表情はない―、というより
ただ、真っ黒な顔をしたそいつは(もうじき いなくなるのだが)
もともとは、おれの体が吐き出した、おれの知らない影だ。
まったくこの体の野郎めが、
いつのまに拾ってきたのかわかりゃしないが
わけ分からない奴を連れてきやがって と
まだ何処かに隠し持っているんじゃないか と
癇癪起こして腹を殴り、咳き込むおれの背中を
ギャルソンは優し
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