カモメの形を残して/ブルース瀬戸内
ギンギンに陽が照りつける中
えんえんと続く海岸線の途中で
すやすやと眠って、ふと起きると
てくてくと翼を傷めたカモメがやってきて
そわそわとして寂しそうで
カラカラに喉が渇いているようだったので
持ってきたミネラルウォーターをあげると
ごくごくと美味しそうに飲んで、さらに
ごくごくと美味しそうに飲み干して
お腹がいっぱいになると
すっかり満足して
私のお腹に乗って
すやすやと眠り出したので
私もほっとして
すやすやと眠り直しました。
ギンギンに照りつける陽が沈む頃、
私のお腹はカモメの形を残して
こんがりと焼けていました。
ひゅっと風が吹いて
麦藁帽子が海岸線の続きを飛んでいったのを
カモメは歩いて追いかけていきました。
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