夜を飲む/
石川和広
夜を飲む
悲しみから
夜を飲む
とてつもない失敗から
失敗などないのかもしれないが
粗末にしてはならないものがある
ぎりぎりに追い詰められる毎日でもそれは勝手な僕の事情で
ゆるやかな何かが星と星の間を通り抜けていく
ああきっと粗末にしてはならないんだよなあ
命という表現ではなくもっと形あるものだ
ネオンの明かりのなか僕は夜を飲む
検討違いな朝日を待ちながら
静かに夜を飲むか
空色のグラスで
戻る
編
削
Point
(8)