夜を飲む/石川和広
 
夜を飲む
悲しみから
夜を飲む
とてつもない失敗から

失敗などないのかもしれないが
粗末にしてはならないものがある
ぎりぎりに追い詰められる毎日でもそれは勝手な僕の事情で
ゆるやかな何かが星と星の間を通り抜けていく

ああきっと粗末にしてはならないんだよなあ
命という表現ではなくもっと形あるものだ

ネオンの明かりのなか僕は夜を飲む
検討違いな朝日を待ちながら
静かに夜を飲むか
空色のグラスで
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