ほたる/ベンジャミン
 

ぽつりぽつりと
街に明かりが灯りはじめる頃
点々とするビルの窓を見上げて
君が

まるでほたるが飛んでいるみたいね
なんて呟いたから

僕もいっしょになって見上げた
ほたるなんて
もう何年も見てなかったから
どんなふうに光っていたのかなんて
すぐに思い出せなかったけど

どうして光るんだっけとか
幼虫の頃はかわいくないよねとか
手のひらでくるむと温かく感じるよねとか
そんなことを話していたら
すっかり楽しくなった
君の
そのやわらかい笑顔に
ほたるの明るさを思い出しながら
 
        
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