突撃する騎士よ!/プテラノドン
 
らけになり、男の頬にふれるその手も同様。
隅っこで口を尖らせ見ていた少年は、街中で
狂ったように告げ口して回る。
あれほど止しなさいと教わったのに―、
世界を予期せぬ希望で測っている。それはかつて、
混沌を打ちのめしたかのようなあの騎士が、実のところ
新たな混沌を生み出したに過ぎなかったように、
―それでいて二人は世界に何かしらの意義を―、つまり出来事に、
正しい結末をもたらす何かを待っている。一方で、
私たちの空はがらんとしていた。ちょうど、
空間というより、時間を誘ういくつかの風によって
はるか彼方の何世紀分もの存在が突如現れるといった
空虚であれ、どこかとつながったままの世界の状態。
想像に頼る限り、そこは、のどかな庭先。
いかにもそれらしい青空に、「お仕置き」と称して母親に尻を叩かれた
少年の声が上がる。それを待って一人の騎士は突撃する。
時は今こそ!と―。

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