水葬/
黒川排除 (oldsoup)
ろめたいことがささやかれる
「彼もいわゆる彼自身の一部とじぶんとを対峙させるいきものだ」と
散らかった食器を片付ける執事の舌は少し乾いている
驚くべき跳躍 はばかられぬ水死体は百代の時を経てしめやかに沈殿した
ゼラチン質の水が球体となり遠ざかる人間すべて逆さまになって落ちた
ぼくの中で沐浴する女がいずこかを眺めている ぼくの気分はくらい
はりめぐらされた緊張のベールをまとい密会の夜は再びやってこない
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