過剰な警報の遠鳴りを聞いて/黒田康之
 

それとてもお前の愛だと
まだ茹でたてのじゃがいもをそのまま食べる

浅黒い硬い乳房よ
その緩やかな稜線とともに私は夏を迎え
互いの多情を慰めあうのだ

太陽が熱く熱く照るとき
獣のお前に空気はしぶきとなって襲い掛かり
壊れることを希求する
お前の心と体を
覆い尽くすだろう

その姿を見て
その愛に染まって
私はまた深く深く
お前の体に指を喰い込ませてゆく

何よりも強い匂いのする空間で
肉食の獣としての愛を吸い合う
充実とはこのことだと祈りつつ
祈りつつ


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