水平線上の異物/カンチェルスキス
 


 ビルの角の一点に光があつまる
 ぼくの身体は痙攣してまるでお笑い種だ
 霧のように漂う亡霊のような人たちが
 ぼくを捕まえにくる
 できそこないの死!と
 叫びながら
 おまえらだってそうだろうと
 ぼくは問う
 だけどやつらは痙攣するぼくを笑うだけだ
 歩いてる靴が脱げて
 車に轢かれる
 これこそが本当にやつらが望んでることだ
 つぶれたパイナップルの果肉
 果肉の死体
 ぼくの死体
 ぼくの死体のようになれないやつらの
 死体
 発砲事件と虐殺の話題
 ぼくに関わることぼくに関わらないこと
 いのち
 窓際に飾った首のもげた人形たち
 スクラップ工場の喫煙所での男たちの会話
 脱げた靴を履いて歩き出す
 痙攣するぼくの身体はまるでお笑い種だ
 背中からロウソクが溶ける臭いがする
 そしてぼくは燃えることがない







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