六月の羽根飾り/プテラノドン
 
骸骨達はいなくなった。野良犬がくわえて持って行ったと母は言う。
夜になると少女は時々、羽飾りをつけて丘の上に立った。
彼等との再会を願って?とにかく
そこで話は終わってしまう。
すべては、月明かりに照らされる羽根飾りをつけた少女の表情が、
恐怖を表すにはちょっとばかし優しすぎたせいで。
 「ところで、トーテムポールって何だ?」本を片手に支配人が訊ねる。
 「純真無垢の象徴さ」ベルボーイの男はそう言うと、
フロントの灯りを消して通りを眺める。町並みはいかにも
といった静けさで、新しい少女を探している。
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