六月の羽根飾り/プテラノドン
 
六月のつかの間に澄んだ夜更けの丘から大勢の骸骨が這い出ててくる
そのどれもが出来損ないで、ところどころ豚や犬の骨も混じっていた。
実際彼等は見世物小屋へ身売りしようと考えていたが
現れて二ヶ月、依然無一文のままで、仕方なくみんな
自分で体を梁に縛りつけてやり過ごしている。その姿から、
かつての神秘的な妖しさは滑稽なものでしかなくなり
伝説の類はとうに失われたかのように見えた。
ただ一人、思慮深き少女を除いて。
少女は、しょっちゅうくずれる骸骨の骨をはめ直してやった。
骸骨達はお礼にインディアンの羽飾りをくれた、
数十年前、トーテムポールにかけられていたやつを。
 ある日、骸骨
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